アリスの『遠くで汽笛を聞きながら』を聞きながら、お読みください。
GMA-S2100SK
15,500円＋税
主なスペック
- ケース＆ストラップ材質：樹脂 / ステンレス
- ガラス材質：無機
- ケースサイズ：46.2 X 42.9mm
- 厚さ：11.2mm
- 重さ：41ｇ
- 駆動方式：電池
- 20気圧防水
- 発売日：2022年8月
8月の決算期末が近づいているので、バタバタと気ぜわしく落ち着かないなか、当月発売のカシオーク2100のコンパクトサイズの新カラーがまだ2点も残ってるし、もう、何だろう、色違いだか●違いだか、どうだっていいじゃねえかよ
などという叫びは飲み込んで冷静に行きたいところながら、もうこのモデルには、飽き飽き。
いや…
と読者の皆様も思っていらっしゃる。のかいないのか、ここはGMA-S2100SKの残り2点をまとめてレビューして、もう、GMA-S2100SKのことはスパッと忘れよう。
忘れられるエントリーがこちら
色々、危なっかしいエントリー。とりあえず怒られていないのでまだ、セーフ
ふうっ。
きれいですねえ。
さあ。
よし。
いよいよ8月も終わろうとしている今日この頃、例によって
♫桜〜吹雪の〜
サライ〜の空は〜♫
という部分のみが何度も繰り返されているのではないかと思えるほどにテキトーに見流しているあの場面こそが、あの番組を象徴しているのに違いない。
寝不足で意識朦朧、もう箸が転んでも感動して涙腺が崩壊してしまう精神状態になっている出演者の涙を見て
「泣いてるし(ﾉД`)ｼｸｼｸ」
とか
「泣いとるし(^Д^)9m」
などとスマホを片手に、チラ見するのが今どき、最適な鑑賞の仕方なのかも知れない。
私は最近は、24時間中、数分も見ない。
なぜか。
「出演者に払うギャラを考えれば、なんか偽善っていうか…」
昨年までの上の子は、そんなことを言っていたろうか。
「でも、まあ、しない善より」
などと同じ精神年齢の子たちの間で繰り広げられるような返事を、ほろ酔いの赤ら顔した父親は
「する偽善と言ってだな」
キリッとした威厳らしい面持ちで答えていたはずだ。
♫桜〜吹雪
テレビから流れ聞こえる唄に合わせる下の子によって、そんな会話が
「食卓で繰り広げられる季節がやって参りました」
っていうか
「サライってどんな意味なん？」
口火を切られるなかで、あれは確かアイヌ語で
「さよなら、ほなね、再来年ね」
という意味があったはずだと言うほろ酔いの赤ら顔した父親の威厳はスルーされ、上の子の
「しかしあの番組、単純に、おもんない、って気付いたんだけど」
という説に注目が集まる。
偽善とかなんとか、そういうことを言いたかった時期がありはしたものの、今、冷静にこの番組を見て、ふと感じ、思い、考え、一言で表現するならば
「おもんね」
という5文字だと言うのである。
「4文字な」
下の子はまだまだ、幼いせいもあろう、ディーテールにこだわりすぎる傾向にあるが
「5文字が4文字だとしても、単純に、長時間、放送し続けるという以外に特別感もなければ、面白さも」
高校を卒業し、少しばかり視線の遠くなった氵男はそんなチョッカイを
「ない！」
聞き流して、断言する。
さらに
「いや、今どき」
24時間、どこでも誰でも、LIVEで動画を配信できるようになっている世の中、長時間、放送し続けることに、誰が特別な興味を持つだろうか。
「いいや持ちはせぬ！」
（あああああ）
私は聞いていて、上の子の、いや上の氵男の何だか、知らぬ間に成長している様子に嬉しくて、彼を見つめる自分の肩の力が、すっと抜けたようになった。
親よりも、子がどんどんと成長する。いや、親はもう、年齢とともに退化していくのに違いないから、ドシドシと、彼らは、私の遠くを走っていくだろう。
（そうか）
ほっとした。
大丈夫だ。
そう思う。
食後、シャワーから上がって一人、ウイスキーをチロチロと舐めながら
「さよなら、ほなね、再来年ね」
そんな意味の唄が流れているテレビ画面を久しぶりに眺める私は、成長する氵男たちの、その先の、大丈夫ではなかったあの頃の自分を見ているのに違いない。
子に怒られるエントリー。
今頃は、大学の夏休みが中頃に差し掛かった頃だろうか。お盆で地元に帰りワイワイと騒いだ日々が懐かしくも、期せずして同じ字である「懐」も寂しくなってきたので、進学先に帰ってバイトをせねばなるまい。
彼女もいるし。
というわけだから、一ヶ月前と同様に多く見かけられるようになった、キャリーケースをゴロゴロと引いて駅に向かう若者の姿に、遠く目を細めると、その姿にもまた、若き日の自分の姿が重なろう。
東京に上京するあの頃は飛行機だったか。いや、寝台車で行ったろうか。
今時は、高速バスも多いだろう。
今となっては全く思い出せないが、私のことだからきっと
♫悩みつづけた日々が〜
（以下、略）
心で口ずさみながら、遠くで聞こえる汽笛に目を細めた、車窓に映る己の顔に、若くして大きく上がった額に、谷村新司を見出して
「プッ」
などと笑わないはずだ。本人は至って真面目に、郷愁を感じたい。いや、郷愁を感じる自分を演じたい。
頬杖を付き、窓の外を眺めながら
「ほっ」
温かいスープに吐息を漏らす。わけあるかよ
「かっこしょう」
たった一時間ほどの鳥取 – 羽田のフライトで出されたしみったれたコンソメスープに漏れる吐息などあるわけもなければ、雲の合間から覗く日本海の荒波に反射する陽光の眩しさと、その美しさに目を細めるふりをして
通路を過ぎていくシツワーデスに
「ごちそうさま」
空いたカップを、はにかんだ笑顔で渡す自分に、谷村新司を三度、見出す。
谷村新司にとっては、いい迷惑である。
振り返ってみれば、大学生活で
遠くで汽笛を聞き♫
見出したものは、己に気取ったスケベ面だっただけのような気もする。
ふむ。
今夜は、お酒を少し、多めに飲みましょう。
こちらはショート
サイズ感や実際の色を確認するには動画がベスト
GMA-S2100SK
15,500円＋税
主なスペック
- ケース＆ストラップ材質：樹脂 / ステンレス
- ガラス材質：無機
- ケースサイズ：46.2 X 42.9mm
- 厚さ：11.2mm
- 重さ：41ｇ
- 駆動方式：電池
- 20気圧防水
- 発売日：2022年8月
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