木村の【ナビタイマーB01 JSP】膵臓を・・・

この話の前回から結構時間が空いてしまったので、まずはこれら一連のエントリーを読み直してから、このエントリーに戻ってきてもらいたい。そうでないと、意味がわからないはずだ。

こちらが、連載初回のエントリー

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そして、こちらに続いて、当エントリー

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木村とのゴタゴタは社内に人が少なかったためだろう、大きく取り上げられることはなかったものの、2日間、頭を冷やすため、ご年配に愛されるショッピングセンターのテナント

この一連のエントリーは、個人的に、大好きなんですけど

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での勤務を命じられた私は、その2日間、当社の中でも売上は一番低いながら電池交換の量は抜きん出て多い地獄の業務に勤しむ合間に、あの日に起こった出来事を振り返るのだった。

BREITLING

ブライトリング

NAVITIMER B01 JSP

ナビタイマーB01 クロノグラフ ジャパンエディション

1,040,000円+税

AB0121A21B1A1
AB0121A21B1A1

アンスラサイトという色らしい。濃いグレーと一言では言えない感じ。渋い。

ブライトリングではたまにありますが、限定数量は不明ながら、日本限定。数は少ないので、お早めに。

ブライトリングHPより転載 AB0121A21B1A1
ブライトリングHPより転載 AB0121A21B1A1

少し前に品番が変更になり、より複雑になりました。暗号みたい。これでいいのか。これでいいのだ。

黃味がかっているのは、私の腕

翼のロゴが復活しています。

このロゴは少し前に変更されたため、翼ロゴのモデルを探しているブライトリングマニアも多いはず。

径は43mmだ!

威張って云うことでもない。

43mmなので、大きすぎることはない。今後、もっと小さくなっていくのかな。

JAPAN EDITIONの刻印

残念ながら限定シリアルはない。が、数はかなり限られている。

しかも自社ムーブで大きさも丁度よし。

しかし、欠点として、防水3気圧というのがどうしたものか。いままではナビタイマーでも5気圧はあったような。

まあ、酷く濡れなければ大丈夫。

BREITLING

ブライトリング

NAVITIMER B01 JSP

ナビタイマーB01 クロノグラフ ジャパンエディション

1,040,000円+税

41mmがいいんです

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 「来いよ!」

自分の大声で、原因不明の憤りが暴発した。理由なんかどうだっていい。

「かかって来いよ!」

叱るとか怒るとかも関係ない。相手より下の位置で名刺を受け取るとか6階で名刺交換をしようとしたら、5階4階とどんどん下に降りていかなければならないではないか、馬鹿にするな、トイレにも上座下座があるらしく、入り口から一番遠い場所が上座らしい、私はどんなに便器が空いていようとも、先に入っている人の隣に並んでするから大丈夫。

「来ないんだったらこっちから行ってやらあ」

木村みのるの机に置いてあった彼のスマホを握ると顔面めがけて投げつけた。

「どりゃあーっ!」

しかしそんな私の叫び声に動揺するような木村ではない。私の左腕からシュート回転気味に繰り出されたスマホをサクッと片手で受け止めると

「弱点が・・・」

悲しげな笑顔を浮かべて呟く。

「あなたの球は軽すぎるんだ」

「な、なに・・・?」

私の球が軽いだと。確かに、幼少の頃から変幻自在の変化球を操る我が才能を、多くのスカウトらしき人物が遠くから双眼鏡で観察している中、アウトサイドに外し気味のストレートが甘く入って柵越えを浴び、マウンドに跪いた経験はそれこそ数知れない。そうして、彼らは去っていくのだ。夕陽を背負って項垂れる私を残して。

「そうか。それか?」

私の中の、今までの怒りが背筋を通してすうっと抜けていくようで、同時に体全体を支える力が失われる。もはや今ここで、夕陽を浴びて項垂れたあの時のように、跪いてしまうのだろうか。力を振り絞り木村を見ると

「それ

笑顔で答える。

くわっ。私の中で何かがまたもや再燃した。いや、爆発する。

「それ、じやねええ」

爆発した怒りを左の拳に握り込み、えぐるように打つべし。

しっ

私の息吹が室内に響く。

と、その前に内線電話が鳴った。反射的に受話器を取ろうと右手を伸ばしたその時、木村の右肩がわずかに動くのが目に入った。

来るっ。

とは思わない。瞬時のことだ。しまった。

とも思わない。木村の人物描写が出来ていなかった。そんなことが頭に浮かんだか、その瞬間には、左手を素早く戻して頭をガードしていた。するどい衝撃が左手首と頭部に走るが、ダメージは多くはない。と、連続した左のジャブが襲いかかる。数発をダッキングしながら後退してかわした。相手は間合いの取り方がうまいのだ。ジリジリと詰められていく。決して大きくないオフィスである。須臾、木村から目を反らして後方に気を向ける。

壁際のホワイトボードに貼り付けてある当社の社訓の一部が一瞬、目に止まった。

 「はい」という素直な気持ち

「私がします」という奉仕の気持ち

 もう後がない。

木村の右手に力が入るのがわかる。決めに来る!

咄嗟に持っていた受話器を投げつける。いや、受話器を振りかぶり投げつけようとしたその時

「笑止」

木村がニヤリと笑った。

(軽いんですよ、あなたの球は)

くっ。

そうさ。そうだろうさ。私の球は軽い。球威がないのはわかっていたのだ。しかし、その球威を補うため、幾千、幾万の野球少年が悩んだ末、あのスーパーヒーローが編み出した技があるではないか。

そう、アンダースロー!

振りかぶった受話器をそのまま投げず、腕を更に後方へと引き、ぐるりと下側に回しながら下手で投げる。

「出ろ!」

その時に、人差し指一本で押し出すことにより、受話器は超低速に弧を描きながら、木村の頭上を超えていく。

「内線に!」

「はい!」

上司からの業務命令には条件的に反射してしまうサラリーマンの悲しい性。それは、私たちの社訓によってさらに内面の深層へと強く植え付けられている。パブロフの犬の如く指示に従わんとする木村は盲目的に一歩バックしてステップを踏み、受話器の行方を確認するが、頭上を超えて更に遠くまでいきそうだと判断した一瞬、方向転換をすると、背面から弧を描いて過ぎ行こうとする受話器を追うべく駆け出した。

そんな木村の動きと同時に私も会議用の長机に飛び乗っている。

中空でスローに弧を描く受話器とそれを追う木村の後に続く。

勝負は、この三歩にあり。

が、初動の早かった木村が頭上に手を差し出して受話器を掴まん。かと見えた瞬間、受話器はその手を避けるように不規則な動きをした。

そう。これこそが大リーグボール3号の原理である。残念だが、木村。お前にその受話器を渡すわけにはいかんのだ。

木村を避けた受話器がゆらゆらと揺らめきながら床に落ちた。

諦めない木村は床に倒れ込むように飛んで受話器をキャッチしようとする。

私は長机からその木村、いや受話器に向かってダイブした。

させるか、させるかよ!!

床に落ちた受話器を木村が掴んだ。その上に飛び乗って、彼の手を掴んで床に叩きつける。反動で受話器は床を転んでいく。木村の上から手を伸ばして、その受話器を掴んだ。

よしっ。俺が出る、この内線には!

すると、私の下で仰向けに反転した木村が私の右腕を引っ張った。バランスを少し崩そうかというタイミングで、左足が、木村の右足によって持ち上げられ完全にバランスを失う。くるり。

気づくと、木村と私の体位が入れ替わっていた。

やられた。

マウントを取られた。万事休す。

目を瞑る。私の荒い息遣いの合間に、木村の息遣いが聞こえている。

目を開けると、木村と目が合った。彼の目は心持ち潤んでいるように見えた。

なんだろう、この気持ち。

私の手から落ちた受話器からは、ツーツーという発信音が鳴り続けている。

おーしーまいっ)

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