桜が満開である。
鳥取市の目抜き通りを丁度、真ん中で区切るように流れる川沿いの土手の、桜が満開なのだ。
400mくらい続く桜並木と、袋川という
「袋のネズミ」
を想起させる名称の川の、握った水質との対比も、これまた見事であり、見上げれば豪華に咲くサクラと、風に吹かれて舞い散る花びらがまるで、都会に輝く摩天楼だろうか。見下ろせば、ヒザ下までの浅い川の、川底の苔で濁った流れに、いつ滑って転んでしまうかも知れない。そんな、私たちの庶民が歩む先の見えない現状と将来を暗示しているのか。
そんなことを露ほども考えない文豪は、2週に渡って、桜並木の散策に余念がない。
というよりも、桜を見てぶらぶらする以外、やることがないと言っても良さそうである。
男は美しいサクラと、花びらの隙間から差す陽ざしに目を細めているように見えるが、実はそんな自分を演じているだけである。
間違いない。
サクラを豪華に舞い上げる季節の風に耳を傾けるどころか、ワイヤレスイヤホンを装着した文豪が聞いているのは、彼の性春の雄叫びである、こんな歌なのだから。
それでは、お聞きください。
Nirvana で
『Spank Thru』
The CITIZEN
ザ・シチズン
AQ4100-22W
世界限定300本
JPY 407,000円
主なスペック:Specifications
+ケース&ストラップ材質:スーパーチタニウム
+Case & Strap Material:Super Titanium
+ガラス材質:サファイア
+Glass Material:Sapphire
+ケースサイズ:38.3mm:Case Size
+厚さ:12.2mm:Thickness
+バンド幅:19.0mm:distance btwn lugs
+重さ:56g:Weight
+駆動方式:ソーラー
+Movement:Solar
+精度:年差±5秒
+継続時間:約1.5年
+10気圧防水:10bar
+発売日:2024年4月11日
+Released:April, 2024
いや、これまた、凄いっ!
凄いっ!
ザ・シチズンの2024年、春の限定モデルの2型は、自然、季節の一瞬を切り取ったシリーズ
Iconic Nature Collection。
こちらは、ザ・シチズンの象徴
「鷲」
がモチーフ
そう。
ダイヤルに採用された土佐和紙
「典具帖紙」
越しにうっすらと浮き出て
見える
「七宝繋ぎ」
と呼ばれるその名称こそ知らなくても、この模様自体を、初めて見る方は少ないのではないでしょうか。
そう。
薩摩藩主、島津家の家紋からインスピレーションを受けて作られたと言われているデザイン。
世界のファッション界を牽引するルイ・ヴィトンの代表的シリーズ
「モノグラム」
と同じ七宝繋ぎによって、紫陽花の色づく季節を表現したダイヤルは
職人の手作りによって細かい繊維が複雑に絡み合いながら
世界一薄い和紙とちょっと奇妙な呼び方をされることもあるほどに
極薄でありながら力強くもある繊維の重なりによって
淡いグラデーションが巧みに表現されています。
電波修正機能はないものの、年差±5秒の超高精度クオーツムーブメントA060を搭載しているので
時間修正もほぼ不要。
定期的な電池交換や、日付修正も不能なので、厚さなどを抑えることもでき
徹底して余分なデザインや機能を削ぎ落とした機能美は
太陽光を透過するためのダイヤルとして、和紙を採用したことにより結実する。
これはもう、手に入れるべき一品でございます。
こちらは光らないショート動画
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(ある限り)
日本には中小企業が多すぎる。
などという声を耳にする。
人手がますます足りなくなる日本は、今後どうするか。
自己防衛の
「誤解を恐れずに言うのならば」
と前置きは忘れずに続けて
「人材が集まらない、力のない企業は、ある程度の規模の、より効率的で、より利益の稼げる改革意識の高い企業の元、ひとつにまとまる必要があるのではないでしょうか」
そうして出た利益は従業員、働き手に還元する。
そのような経済構造を目指すべきではないか、という。
要するに
「ばーか、滅びろ商店街」
というわけである。
ただ、皆さんも御存知の通り、従業員にお金が回るよりも多く、資本家にお金が回るようになっているのが、現代の資本主義なのである。
トップの報酬然り、一部の大企業の役員の懐にはより潤沢なお金が回り込んでくるものの
「とりくるだうん、かっこしょう」
起こるかよ、そんなもん。
吸収された会社の社員、派遣社員がそのまま新しい企業で働き続けられると思うな、ホトトギス。それじゃあ効率化にならねぇだろう、バ〜カ。
などと下品な言葉で他人を攻撃するような、力強い者ではないこの男は、母親に手を引かれて桜並木をすれ違う小さな子に
「こんにちは〜」
と手を振って
「サキちゃん見てあれ、キレイだねぇ」
スルーされ、スマホに目を落とす。
Nirvanaの
『Talk To Me』
をカートの歌声で、再現したらしい。
そのようなことは、欧米の、先進国の現状を見ればわかるはず。
効率化により排除した無駄や時間が利益に形を変え、経営者や資本家のもとに集約されるのが資本主義の現状なのだ。
そんな少数の彼らが生み出す消費はたかだか、知れたもの。いや、それこそ少数の上流の間で回っているだけである。私たち中小企業、零細企業の経営者や社員、庶民によって消費される幾万幾億の無駄とも思われる時間やモノが還流するほうが、どれほど、多くの人々に豊かさをもたらすだろう。
証拠などない。
データもない。
が、私の中でムクムクと大きくなっている感情、いや、感情を通り越した、それは直感。
Nirvanaで
『More than a feeling』
もう、終わり、か。
春はやっと来たばかりではあったが、男の春の散策は、どうやら、ここまでのようである。
戻らなければならない。
「サキちゃん、そろそろ帰ろうか」
どうやら、さきほどすれ違ったサキちゃんに
「あっち」
請われて、私の後に続く親子連れの声が聞こえる。
ならば、最後に
「ソメイヨシノ、か」
川にまで伸びんとする枝の、花びらに手を差し伸べるようにして一人呟いてみたところ
「あれはエドヒガンザクラって言うのよ、サキちゃん」
返事がある。
振り返ると、母親はあちらの方を指差していた。
別の桜であった。
はははは。
向き直り、手元の木の幹に提げられた札をチラリと確認すると
「ヤエザクラ」
とある。
はははは。
まあ、いいではないか。
男には教養ももなければ、頭の回転も、まあ、ゆっくりである。
ただ、自分が馬鹿である、ということを知っているし、と同時に、多くの人が自分同様、それなり
自分たちは何もわかっちゃいないと知っているんだろうと、感じている。
みんな、大抵、己の蒙昧さを知っているのである。
ただ、中にはこんな奴がいるはずだ。
知ったかぶりの間抜け面。
プライドだろうね。
安っぽい。
鏡を見りゃ、わかるのに。
Nirvanaで
『Very Ape』
おわり